鼻血(血液)の染み抜き方法
血液の染みは簡単には落ちません。
乾く前なら簡単ですが、一度乾いてしまうと難しい。でも不可能なシミではありませんのでダメもとでチャレンジする価値はあるでしょう。
尚、基本情報として、血液の染みは熱はNGと耳にすることがありますが、40℃くらいまでなら大丈夫です。なぜって体温ほどの温度でNGなワケ無いからです。しみ抜きはぬるま湯でやる方が効果的です。
血液のしみ抜きに使うもの
「液体タイプ酸素系漂白剤」
塩素系は× 酸素系を使います。
「重層」or「セスキ炭酸ソーダ」
アルカリ剤です。これでパワーアップ!
※重層でもセスキ炭酸ソーダどちらでもOK
「クエン酸」
最後に酸性でアルカリを中和します。
鼻血(血液)の染み抜き方法
今回の事例は、鼻血です。
この鼻血も乾く前だと流水で大半は落とせますが、完全に乾いてしまった状態での染み抜きです。こうなると手ごわくなります。
まずは血液の落とし方の基本情報から説明します。
血液の染みはまず最初に洗い流しましょう。そこで少しでも落ちるなら、染み抜きに入る前に出来る限り洗い流してください。それから本格的なしみ抜きに入ります。
シミ部分に「重層(セスキ炭酸ソーダ)」をふりかけ、更にシミ部分に「液体の酸素系漂白剤」を大さじ一杯分ほどかけます。重層(セスキ炭酸ソーダ)はアルカリ剤です。酸素系漂白剤にアルカリの力を加え、パワーアップさせ、次に熱を加えます。
ここで言う熱は40℃ほどのお湯。
体温より低い温度で設定し、お湯の中に衣類を入れます。そして30分ほど放置して下さい。40℃が高く感じる方もあるかもしれませんが、風邪を引いて高熱の場合に40℃ほど出る事があります。まず大丈夫です。
※ただし水洗いのできないレーヨンなどの素材、もしくはお湯に漬けて色が出てしまう衣類に関しては、この処置は出来ません。
さて、今回の事例ですが…
よく見ると、鼻血のシミは一ヶ所ではありませんでした。
まず台所用洗剤を付けます。
そして、歯ブラシでトントンしましょう。
血液のシミは、なかなか落ちません。
ここでムキになってゴシゴシするのはキケンです。もちろんゴシゴシした方が落ちやすくなりますが、生地を傷める結果になりやすい。
実は、今回… 私は失敗をしまして、その失敗と言うのが、ゴシゴシです。一番下の画像をみてもらうとわかりますが、色が少し褪せてしまいました。
この失敗は良い事例と思い当ページで紹介する事にしました。
さて、次に重層をかけます。
これはアルカリ剤で重層でもセスキ炭酸ソーダでも、どちらでもOKです。どちらもダイソーなど100均で購入が出来ます。あると便利ですね。
染み抜き本などを見ると、小さじ1杯分などとありますが、私は適当で良いと思っています。気になる方は、量を調整して下さい。
そして、重層をかけた上に「液体の酸素系漂白剤」をかけます。
この段階で変化が出る場合も多いですが、あまり変化しないケースもあります。
ここで再び歯ブラシでトントンしましょう。出来る限り擦らないように、上から下にトントンが理想的です。
そして、お湯をかけます。
このお湯の温度は40度くらいまでが安全です。
血液のシミでなければ、60度、70度、80度と温度を上げても大丈夫な場合が多く、高温なほどシミも良く落ちます。ただし、服を傷めるリスクも高まりますので、デリケートな素材の場合は避けましょう。
お湯をかけたら、また歯ブラシでトントンと。そして30分ほど放置しましょう。
ほら、少し血液のシミが薄くなって来てますね。
そして、アルカリが残ったままだと衣類を痛めてしまうので「クエン酸水」をシミ部分に流し込み中和します。
クエン酸もダイソーなど100均で売っています。粉末なので水で溶かして使用すると良いでしょう。洗剤や重層などアルカリ剤の付いた液を一度洗い流し、再び水を入れて、そこにクエン酸を入れ、濯ぎのイメージでクエン酸水を使うと使いやすいです。
※一度で落ちない場合が多いです。ここまでの工程を何度か繰り返すとよりシミは落ちますが、生地への負担も大きくなるので、繰り返す場合は慎重に。
さて、シミは…
ほぼほぼ落ちているのですが…
分かりますか?実は色が褪せています。
これはゴシゴシし過ぎて、パジャマの色を壊してしまったんですね。要は生地を傷めてしまったと言えるでしょう。
まだ、自宅で着るパジャマなので良いですが、大切にしている服なら、シミが付いた状態より色が褪せたり、禿げたりする方が目立つ事があるのでショックでしょう。
こうなってしまうと、意味がありませんので、もし染み抜きをする場合は十分に気を付けて下さい。常に染み抜きは無理をせず、難しい場合はクリーニング店に出しましょう。
(血液のシミは衛生上の問題で、状態によってはクリーニングに出せない可能性があります)
他の血液の染み抜き事例はコチラになります。
【重要ポイント】
衣類の染み抜きは家庭で落とすには限界があります。難しい場合は無理をせずに信頼できるクリーニング店を利用しましょう。