クリーニングクレームの「賠償基準」とは…
あなたはクリーニング店を利用した事はありますか?その店を選んだ基準は何でしょうか?そんな質問を唐突にしたら、多くの人は「近所にあるから…」と答えます。
業界をよく知る者からすると「本当にいいの?」「ブランド品や大切な服をクリーニングを出すんでしょ?」「そんな安易な判断でいいの?」と感じてしまいます。
ここではクリーニングでクレームが発生した時の賠償基準の見方に関して紹介します。
さて、クリーニング店を探す場合…
対応がしっかりしている店の一つの目安として、公式サイトに「賠償基準」が記載されているか否かは意外と大事です。
たかが表記ですが、されど表記です。
この基準の記載のない店は、万一トラブルが起きた時、もしかすると対応が遅かったり、明確な基準を持っていない可能性があります。
テレビで紹介される=良いクリーニング店とは違う
「テレビで紹介されました」「雑誌に出ました」「芸能人が来ました」「達人として紹介されました」とホームページに書いている店を見かけますが、それは宣伝の一つです。「信頼出来る店」だからテレビで紹介されるというワケではありません。
本当に信頼できるのは、万一トラブルが起きた時、どのように対応するかという方針です。それが公式サイトに記載されていない店は、注意した方が良いかもしれません。
常識の目線で考えて下さい!
クリーニング店にある数多くの商品は全て「お客様からの預かりモノ」です。それを大事に考えているなら、万一の場合を想定し記載すべきです。それが公式サイトで見当たらないのは、むしろ誠実さに欠けているとも感じてしまいます。
もちろん全ての店がトラブルなど起きないように細心の注意をしているでしょう。しかし、過失やトラブルは起きてしまう事は必ずあります。人間のやる事ですもの。当然です。
その時に、「当店はこのように対応します」と明言しているか、していないか、これは万一の時に対応のスピードに大きく関わって来ます。
例えば…
大切にしているジャケットがクリーニング後に変色があった場合、そのことをクリーニング店に申し出てて、変色のジャケットを店に置いて行ったとします。
ところが、その日のうちに連絡が来ない。翌日も来ない。3日経っても来ない。1週間たっても来ない。そんなケースが実際にあるようです。
その変色がクリーニング店に過失がないとしても、連絡が遅く、その結果「うちに過失ありません」と言われても、お客さんからすれば納得できるわけがありません。
問題が起きた時、大切なのは初動、具体的な対処です。クレームと向き合う姿勢、その会社が基準をきちんと設けていると、それなりの対応をしてくれます。正確に言えば、きちんと対応をする最低限度の枠組みがあると言った感じでしょうか。
公式サイトに「賠償基準」などの記載すらない店は論外と言えます。大切な服を預けるのだから、万一の時の事を考え店を選びましょう。
賠償基準はどこに書いてるの?
では、その賠償基準はクリーニング店のホームページのどこに記載されているのでしょうか?実例と共に見てみましょう。
例えば、「LACURI」というお店。この店は関西人なら誰もが知るクリーニングルビーの宅配事業部です。イオンなどテナントにも良く入っているお店です。
宅配事業部は全品高級仕上げで、サービスの質も高く、宅配クリーニングの中では全国的に見ても3本の指に入る人気と実力を兼ね備えていると言えるでしょう。
では、その「LACURI」公式サイトを見てみましょう。
公式サイトの一番下まで行くと…、右下に「賠償基準」とあります。
そこをクリックすると、「クリーニング賠償基準」のページになります。
このページでは、万一トラブルになった場合、このように対応しますと記されているモノです。基本的に、どのクリーニングの場合も内容は同じでしょう。
クリーニング賠償基準の表の見方
例えば、クリーニングでトラブルが発生し、もしも弁償となった場合の一例を見てみるとしましょう。ちょっと表の見方が馴れないうちはややこしいです。
例えば、今回の5万円の夏物ジャケットの事例で考えると…
夏物ジャケットを上の表で見ると、平均使用年数が2年とあります。この数字は夏物ジャケットの平均使用年数の基準です。もっと長く使う!と思ううでしょ。私もそう思います。でもこれが基準になります。
次に表(2)を見ます。
仮に…この夏物ジャケットを買ったのが1年前、着用したのが仮に初めてであっても、基準となるのは購入時でも、着用開始時でもなく、そのジャケットの製造日になります。
この製造日に関しては、製造メーカーに確認しなくてはいけません。
製造メーカーに確認した結果、製造されのが3年前と分かれば、3年=36ヶ月。上の表で見るのは36ヶ月の所を見ます。ここでは「24~36」となっています。要は2年~3年が同じくくりとなっています。
夏物ジャケットの平均使用年数「2年」、そして「24~36」を確認したら、そのまま右に移動します。すると「46」「27」「16」の数字がありますね。これが補償額の割合です。
要するに50,000円の夏物ジャケットは、その金額の46%、27%、16%の価値が弁償額に該当するとなるワケです。
具体的に金額を見ると…
もともと5万円だったジャケットが…
A級=46%=23,000円
B級=27%=13,500円
C級=16%=8,000円
なんとC級だと8,000円で査定されます。
ところでABCの違いは何なんでしょうか?
B級は購入時からの経過時間に相応して、常識的に使用されている場合。
C級は購入時からの経過時間に対して、B級より見劣りする場合。
ここで勘違いしては行けないのは買取りです。
例えば、Bで査定され金額が13,500円となった場合、その金額をクリーニング店から弁償代としてもらえるのではなく、13,500円でジャケットを買い取ってもらう形になります。
要するに、そのジャケットは手元に戻りません。
気に入っていたジャケットで、今回のトラブルが無ければ、あと5年は着ている!と考えたとしても、クリーニング賠償基準で査定額を出し、それで解決をするなら、ジャケットをクリーニング店に買い取ってもらう形になります。
この結果を損したと感じる人は少なくありません。納得できないという方もあるでしょう。しかし、これだけは理解して欲しいのが、衣類は製造日からに数と共に価値は落ちていきます。5万円で買ったジャケットが5万円で弁償はあり得ません。
あるとすれば、クリーニング店でも紛失が起きた場合だけです。
1度しか着用していなかったとしても、その価値は変わりません。変わるとすれば前述の通りA級・B級・C級の状態評価のみです。
※尚、ここで紹介している賠償基準の見方、判断は当サイト管理人の目線で記したものです。公式サイトを参考にさせて頂いた「LACURI」の対処方ではありません。念のため、記載しておきます。
以上がクリーニング賠償基準の見方になります。
実際には、この基準通りではなく状況を見て判断を変える場合もあるでしょう。それはクレーム処理を担当する人の裁量によって変わる部分があるからです。
個人のクリーニング店より、大手の方がクレーム処理の担当者がいますので、対応が早くしっかりしているケースが多いようです。もちろん一概には言えません。
最後に繰り返しますが、公式サイトで、クレームが起きた時の基準をきちんと記載している店の方が安心できます。それだけ大切な事なのです。
以上、参考になれば幸いです。
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